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ルールと無駄合

歴史カテゴリかどうか微妙ですが、規約と無駄合についてです。

①1963年綿貫規約
現在生きている(らしい)規約ですが、50年も昔の規約なので、現状と合っていないという問題があります。例えば、変長など例外の取り扱いなどが現在ではより厳しくなっています。

無駄合に絡みそうな部分をピックアップしていきます。
(以下強調は全て筆者です。原文に強調があった訳ではありません)

第二条(解法)解法の基本は次の如く定める。

① 詰方の指手(着手)は必ず王手をかける形をとること。

② 玉方の指手(応手)は必ず王手をはずす形をとること。

③ 応手の尽きた状態を以て詰みとすること。

④ 詰方は提示の持駒の外に、中途入手の駒を使うこと。

⑤ 玉方は残り駒を合いとして使用できること。

⑥ 着手は最短手順を選ぶこと。(着手最短律)

⑦ 応手は最長手順を選ぶこと。(応手最長律)

⑧ 指手はすべて右の諸条件に対し必要かつ十分である手順をとること。(必要十分律)



その備考が以下

[第二条]緒言に述べた理由から攻方、攻手は不採用、①-⑤は指手の一般的運び方。⑥⑦は本詰決定の絶対手順、⑧は同じく最善手順を導くべき条件。なお⑥の着短律を除外すべしの主張あり。理由は余詰及び変別作品への適用における不合理。また応手はその変化系内の着手がすでに着短律に従うべきことを含むから、応長律のみを条文化せよとの意見あり。着短律を表面に出すと余詰作品の適用に不都合だという。(早詰の場合は作意を、長手数余詰の場合はこれをそれぞれ×とする)⑧の必十律(略称)は⑥⑦の拡大解釈を防ぐもの。即ち飛角香の打場所を不要合駒入手や迂回着手の規制により一つに限定したり、手筋変更を伴わない無駄な合駒応手(2手延びて駒余りのみ)を排する為の規定。ほかに限定合駒にも有意義。



次に、第二章施行規則の第十条(准詰の恕限度)の②応手変化系の許容手順から引用です。

(ロ)作意外最長順 応手最長順に手余りの存する場合はこれを准詰とし、作意とする次位長数順で手余りのないものを本詰とする。また収束時に合駒をすれば二手延び一駒余りとなる場合はこの手順を准詰とし、合駒をしない手順を本詰とする


その備考の一部

しかしこれに手余りを伴う場合は、手余りを客観的判別条件とし、更に手余りを好まぬ主観的評価条件を加えて、この手余り応手変化最長順(手余り変長)を准詰とし、次位長数順で手余りのないものを本詰とすることを提案して、これを了解事項に決定した。但し二手延び一駒余りを恕限度とし、これを越えるものは出題不可とする意見が大半を占めた。また収束に当り合駒が不可能ではないが、二手延び一駒余りとなる場合も右と同じ処置をとることにした。


通常の無駄合の部分は、「手筋変更を伴わない無駄な合駒応手」でしょう。
2手伸びて駒余りになる以外大差ないということなので、現在の無駄合と同じものと考えられます。

が、変長許容のおかげで、
収束部では合駒をする順が准詰で、合駒をしない順が本詰になるという事態が生じうるように読めます。
(無駄合@wikiの最広義無駄合を思い出しましたが、どうなんでしょう)
この場合、作意は合駒ナシの順、解答はどっちを答えても○ということになっているということでしょうか?
さらに、間接両王手が完全作になっています(間接両王手もいつか書く)。

馬ノコの無駄合については触れていない?
※節穴を自覚しているのであまり自信がない


追記:
「収束時に合駒をすれば二手延び一駒余りとなる場合はこの手順を准詰とし、合駒をしない手順を本詰とする」は、このような図を念頭に置いていると考えられます。
変長の例題
23龍、11玉、33馬まで3手
23龍、22歩、32馬、11玉、22馬まで5手歩余り



②1999年?川崎規約案
1999年11月号をベースにしますが、その後どうなっているのか知りません。

第二章 本手順の第八条から引用

第八条 [無駄合の除外]
慣習的に無駄とされる合駒(これを《無駄合》といいます)をする手は、前各条における応手から除き、手数計算にも含めないものとします。


「一般的に無駄とされる合駒は無駄合とする」や「無駄な合駒はしない」というタイプの説明です。
図面等はないので、何が無駄合と認められているのかはこの条文からは判断できません。


※2000年10月に『詰棋めいと』で発表された山田修司氏による対案では、

第八条 [応手の特例]
単に詰方に取られ手数が延びるだけで、その駒を使わなくても詰み、その後の詰手順の内容に変化をもたらさない合駒を《無駄合》といい、第六条の応手に含めないものとします。


こちらは、「取って、以下~」というタイプの説明です。
実際に一般向けルールで使う場合にはどちらでも困らないと思いますが、
山田案のほうが初見さんにやさしいでしょう。



参考文献
詰将棋のルールについて:http://onkotisin.org/tume/tumeruru/tumeruru.htm
綿貫規約はここから引用しました。

川崎弘「規約委員会より」『月刊詰将棋パラダイス』1999年11月号
山田修司「『着手自由』『応手最長』に基づく詰将棋規約案」『詰棋めいと』第28号(2000年10月)
対立のポイントは無駄合ではなく、攻方最善・受方最善(+余詰解答○)か攻方任意・受方最長かという点です。
念のため。

森田昌弘「再び変化長手順について」『月刊詰将棋パラダイス』1963年10月号

無駄合@wiki:http://www48.atwiki.jp/mudaai/pages/23.html
今回は、間接両王手や最広義無駄合を参照しました。


(めいと31号は面白い話題がいくつかあったので、さっさと取り上げたい)
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